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思考
料理する、ということ。その根幹となる、思考。
このようなことを考えて、
店舗運営をしています。
レストランチッチは、
無添加で、遺伝子組み換えでない、
ということを意識した、
手づくりなお店です。
開店の際の内装や、看板、
店内や店外のペンキぬり、
床の板ぶきに始まり
毎日のパンや、小さなお菓子、
酵母に使う味噌や掃除に使う洗剤など
細微な部分にいたるまで、
自分の手で作り、
自分のエネルギーを
込めたお店です。
・・・
お店を始めるときに、
<物事を始めるときには、
動機には愛がないといけないよ>
ということを教えて頂きました。
何か社会に貢献したい、
かたちとして続けていきたい。
そんな思いでお店を始めました。
そんな店名の由来は、三人の子供たちから、
”ちっち”と呼ばれているからです。
その子供たちも2019年現在、
上から17歳 13歳 11歳。
今でも家では”ちっち”
と呼んでくれています。
外に出ると”お父さん”
と呼び方が変わるのが、
なんだか微笑ましいです。
・・・
食の安全についての信頼を
失わせるような事件は
常におきています。
経済優先の社会である限り
これからも
なくなる事はないと思います。
故に、消費者側に
食に関する知識と
選択が必要であると
考えています。
料理する。
ということを生業にしている
僕にとって、
食の安全性は
大きな関心ごとの一つです。
様々な情報の中から知識を得て
さらに選択をしています。
食の選択をする上で
最も大切なのは、
自分自身の五感、六感だと
考えています。
知識を得た上で、
さらに自らの魂に
問いかける事で
こたえを導き出せます。
心地いいか、美味しいと感じるか。
結実したものが、今日も
お客様の前のお皿の上にあります。
食事というのは
人が生きていくためには
必要な行為です。
また、食べ物は単に体のためだけでなく
心と精神のためのものでもあります。
食は、からだと心に通じるものであり、
食から得られる喜びは何事にも
代え難いものであると認識しています。
食事というのは日に3度あり
その度ごとに幸せな
気持ちになれるという事は、
”本当にすてきな食の事”と思えます。
毎日の食を、
たとえそれが一杯のご飯だけでも、
その食事に心から感謝して
幸せな気持ちで頂くことができれば
人は食を通して本当の幸せや豊かさ、
自由や健康を知ることが
できると考えています。
・・・
身土不二という言葉をご存知でしょうか。
人は日々食べるという行為で、
命を長らえ体をつくっています。
口にする食べ物は、
暮らしている土地で
つくられたものが
最も体に合っていて
健康を維持できる。
そんな考え方を、身土不二といいます。
人は土とつながっていて
離れることはできないのです。
僕自身、自然農法で畑をやっていました。
それは、人と土のつながりを
体験してみたくなったからです。
体験してみて、今まで以上に自然界の、
宇宙のバランスについて、
考えるようになりました。
小さな畑の中でも
バランスがとれていない
物は淘汰されてしまう。
そんな事も体験しないと
わからない事でした。
料理の肝要もバランスです。
雑味を取り除き、
良い部分を引き出す事を
すれば
料理はおいしくなります。
美味しく作るのではなく
自然と美味しくなるのです。
バランスを保つためには、
人はほんの少しの
お手伝いをするだけでいい。
そんな事も、畑や料理の経験を
通して分かってきました。
・・・
目で見て、手で触れるだけで
元気になれる素性のはっきりと
した顔の見える食材。
そんな愛すべき食材に向き合い、
料理する。
美味しいと言って頂ける、
その瞬間の喜びと
感動を共有できる
空間でありたい。
そんなお店であり続けたい。
それが願いです。
このようなお店を始めようと
思ったのも、皆様の協力があって
現在に至っています。
本当に感謝しています。
心のオアシスとなるような
癒しのお店になれば幸せです。
これからも、
どうぞよろしくお願いいたします。
熊見悦伸